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「君が代」は、言うまでもなく日本の国歌である。だが、その作曲が外国人の手によってなされたものだという事を知っている人は少ない。
その作曲者とは、ジョン・ウイリアム・フェントンなる人物で、英国公使館護衛の任務を帯び、横浜に駐屯していた軍楽長であった。フェントンは、横浜の妙香寺という寺の境内で、薩摩藩に属する青年達約30人に音楽や楽器の演奏を教えていた。なぜ妙香寺が選ばれたのかと言うと、当時の軍楽生が妙香寺に寄宿しており、また、付近に軍楽演奏に適した大きい建物が無かったからだとされている。
そして、そんなフェントンが1869年(明治2年)に、日本には儀礼用の国歌はあるのかと問い、鹿児島藩が薩摩琵琶歌の中から「君が代」を選んで、フェントンに作曲を依頼したのだった。曲は1870年(明治3年)9月、明治天皇の前で初めて演奏された。しかし、このフェントン作曲の「君が代」は欧州風で歌いにくく、1876年(明治9年)を最後に、現在のものとなった訳である。
現在の、独特な曲調を持った「君が代」を作ったのは林広守であり、軍楽生達が寄宿していた妙香寺の境内には、今も国歌発祥の記念碑が立っている。 |
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